「ピンクは女の子の色」子どもが言ったら読む絵本

「ピンクは女の子の色」現在の日本には、そういうイメージが根強くあります。

幼児期のうちは、色による性別の差がなかった子どもたちも、幼稚園や保育園などに通うようになり、「女の子は赤いカゴに、男の子は青いカゴに水筒を入れてください」なんて先生に言われながら生活をしているうち、「男の子の色」「女の子の色」を感じるようになってきます。

みみずく
みみずく

もちろん園での男女による色変えは、スムーズな団体生活を送るうえで、必要不可欠な部分もあるので、一概に園や先生を非難するつもりはありません!

そんな中、男の子である我が子が「ピンクが好き」と言い、洋服など好んでピンクを選ぶようになったら、どういう対応をしたらよいのでしょうか。

一方、ピンクが好きな男の子に対して、我が子が「ピンクは女の子の色なのに、変なの!」と非難めいた言葉を投げつけたとしたら、どういう声かけが必要なのでしょうか。

また、もともとピンクが好きな男の子だったのに、周囲に「変なの!」と言われて傷ついたとしたら、どうしたらよいのでしょうか。

実際に、幼児期の息子はピンクや暖色系が好きでした。そんな息子の母である私が活用した世界的人気絵本や、オススメの絵本についてご紹介します。

ピンクが好きな男の子がぶつかった壁

我が家の長男は、2~3歳の頃、ピンクや暖色系が好きでした。

好きな色を選べるなら、ピンクやオレンジや黄色。一方、青などの寒色はほとんど手にとりませんでした。

よく通っていた児童館の先生方も、長男が好きな色を把握していて、色紙を配る時など、長男が選んだピンクに対して特に何も言うことはなかったですし、周囲のお母さんや同い年のお友達も、「長男くんはその色が好きなんだねー」くらいにすんなりと受け止めてくれました。

長男がはじめて「性別による色の壁」にぶつかったのは、3歳の幼稚園プレスクールの頃。

配られた誕生日カードが、女の子は赤、男の子は青と決められていたのです。

みみずく
みみずく

長男は「なんでぼくは(あまり好きじゃない)青なの?」と納得しきらない顔で、そのカードを受け取っていました…。

その後、児童館で開かれた誕生日会で、児童館の先生が長男が選んだピンクを使って誕生日カードを作ってくれた時、どれだけ私も長男もうれしかったか!

ここからの人生、「性別による男女の色分け」が始まってしまう。

ピンクのカードを首からぶらさげ、笑顔を見せる長男を見ながら、内心そんなことを思っていました。

ピンクが好きな男の子は「変」なのか

ピンクが好きなまま幼稚園に入園して、周囲に「男の子がピンクなんて変!」と言われて、長男がピンク嫌いになってしまうことを恐れていました。

自然に好きな色が変化していくのは成長です。「ピンクをずっと好きでいてほしい」なんて、もちろん思いません。でも、傷ついたことによって、せっかくの「好きなもの」が嫌いになってしまうのは悲しすぎます。

一方、周囲の影響を受けて、「ピンクは女の子の色!」「男の子がピンクなんて変!」と長男が言うことも避けたいと考えました。

桜もコスモスも、みずみずしい桃も夕焼けの空の色も、すべてが「女の子のもの」だなんてあるわけがないし、誰かが好きなものを非難するような人間になってほしくなかったのです。

みみずく
みみずく

「ぼくはこれが好きだよ」「あなたはそれが好きなんだね」そんなふうに他者を受け入れられる人になってほしいと思いました。

まだ3歳くらいの子どもに、ピンクは決して女の子の色だけではないということをわかりやすく伝えたい。

悩める私の救世主は、やはり絵本でした。

世界的人気キャラクターが「ピンク」の概念を壊してくれた

ピンクは女の子の色だけではない。

それを簡潔に、わかりやすく、これ以上ないほど伝えてくれる世界的人気キャラクターがいました。

おばけのバーバパパです。

みなさまご存知バーバパパは、自由自在に形を変えられる不思議な生き物。そして「パパ」と名前がついているけれど、色はピンクなんです。

さらに続編「バーバパパたびにでる」では、バーバパパが家族を探す旅に出るますが、そこで出会うバーバママは黒なんです。

バーバパパはピンク。バーバママは黒。

子どもたちはどちらに似るということもなく、みんなそれぞれ違う色。

みみずく
みみずく

「ほら、パパだけどピンクだし、ママだけど黒でしょう?」

これは3歳にもわかりやすかった!

小学校2年生になった今では、自然に好みの色が変化した長男ですが、「これは女の子の色だからいやだ」と言うようなことは一度もありませんし、カラフルな色が好きなことに変わりはありません。

「女の子のピンク」について考える絵本3冊

ピンクって本当に女の子の色なの?

こういう時に役立つのはやっぱり絵本! 親子で考えるきっかけになる絵本3冊をご紹介します。

ピンクはおとこのこのいろ

「ピンクはおとこのこがすきだな」「そしておんなのこも」「おしゃれぎのリボンとかボータイも」

そんな言葉から始まるこちらの絵本は、好きな色や好きな物に、男の子も女の子も関係ないことを教えてくれます。

文字は少なめで、無駄のないテンポのよいフレーズなので、幼少期のお子さんでも読みやすくわかりやすい1冊。

みみずく
みみずく

読み終わった後、年中の次男は「ぼくは〇〇が好き!それから〇〇と、〇〇と…」と好きな色を指折り数えていました。

たくさんのふしぎ2024年3月号 かっこいいピンクをさがしに

たくさんのふしぎ2024年3月号。

日本では「かわいい色」と言われるピンク、でもそれって本当? 世界にはピンクに対して「女の子の色」という考えがない国や、「かっこいいピンク」も数多く存在する。

日本でピンクが「女の子の色」とされたのも、実は70年前くらいからのことだとか!

さまざまな分野からピンクについて考えた1冊。

みみずく
みみずく

ウガンダには制服がピンクの学校も! けれどウガンダの人々にとって、ピンクはただのひとつの色であって、「かわいい色」という認識はないというので、日本との違いに驚かされます。

いろがみえるのはどうして?

色がどうやって見えるのかということを、わかりやすく教えてくれる絵本。

「空が青く見えるのはどうして?」「草が緑色なのはどうして?」「多くの動物の血が赤いのはどうして?」光の波長の話や、目の細胞の働きについて、できるだけ噛み砕いた表現で、すべてひらがなでまとめられています。

人間のように色が見えることは決して普通なことではなく、犬やハチ、カタツムリなど、他の生き物にはまったく違う色に見えていることも紹介。

みみずく
みみずく

せっかく人間には「ピンク」を見ることができるのに、それを性別で分けてしまったらもったいないのでは?なんて話のきっかけに。

自分が好きなもの、相手が好きなもの

私の個人的な気持ちとしては、子どもには「自分が好きなもの」を大切にし、「相手が好きなもの」を尊重できるような人間になってほしいと思っています。

もしも同じような考えをお持ちの親御さんがいらっしゃったら、今回ご紹介した絵本が少しでも役立つことを願っています。

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